
斜頭症マッサージのやり方について|頭の形整体の施術方法を紹介
「あたまぁる」は東京都八王子市で、頭の歪み・いびつに対し、赤ちゃん~大人の方々に「頭の形」を専門とした整体施術を行う事業をしております。ご予約はこちら。

斜頭症(Plagiocephaly)という言葉は、ギリシャ語で斜めの頭の意味が由来した用語で、赤ちゃんの後頭部や側頭部に扁平が現れ、頭が片側に向かって斜めに傾いていることで、左右の形が崩れている状態です。
赤ちゃんが背中をついたまま、未だ頭を左右に動かせない時期に、頭蓋への長時間の外圧を受けることや、胎内や産道の環境・胎児の栄養状態・出産時の経緯・向き癖・新生児~乳児期の頭を支える補助具などが原因で現れるとされています。
なお、施術を受けられるお子様の親御様自身、もしくはその親の頭の形がゆがんでいると伺うことも珍しくないことから、遺伝的な要素も原因の一つであると考えられます。
頭のゆがみは軽度から重度まであり、頭蓋変形外来・ヘルメットの専門機関で中等度以上の診断を受けると、専門医からヘルメット療法を薦められる可能性があります。
3Dスキャンで頭蓋の体積を左右で比較した際、CVAIの数値が3.5%以上になると「症」を付ける診断の定義とされています。そして、5%以上で軽度、7%以上で中等度、10%以上で重度、14%以上で超重度とされています。しかし、病院によってはCVAIの数値が軽度であっても、頭蓋、耳の位置、顔を視覚的に見てゆがみが大きければ重度と判定する場合があるようです。
生後6,7か月ぐらいまでに自宅で出来る斜頭症の治療法として、頭が長時間同じ位置からの外圧を避けるため、寝ている赤ちゃんの頭を手でこまめに浮かせてあげたり・抱っこをしてあげたり・赤ちゃんが起きているとき背中を地面についた状態から体位の変換を補助してあげることで、寝返り・頭を上げる動作・這い這い・つかまり立ちができるよう促してあげる方法があります。
なお、新生児の赤ちゃんが生後4か月を過ぎた頃になると、頭蓋の骨が隣り合うことで縫合という連結部分が密着し、併せて頭頂の骨が離れて連結をしている小泉門が接近します。また、赤ちゃんは頭の位置を変えて保ち続けることが出来るようになります。そうすると、あおむけで寝ていても後頭部が持続的に同じ位置で接しなくなります。これらのことから、床から受ける力が左右の後頭部に均一にかかります。その結果、頭蓋内部の補強が始まることでゆがみが落ち着くことで、生後5,6か月の頃から悪化をした分が改善されていきます。
しかしながら、斜頭症の軽度あれば形状が矯正される期待ができますが、中等度から重度の後頭部の平坦であれば、自身の力での自家矯正が難しいとされています。
1歳半~2,3歳を過ぎたお子様の頭の形が気になり来店された親御様からは「赤ちゃんの頃よりは良くなったが、まだゆがみが残る」、「その頃と形は変わっていない」と伺います。
斜頭症の場合
・片側の後頭部から側頭部にかけての形が平たい。
・片側の平たい後頭部と反対側の後頭部から側頭部にかけて突出。
・左右の耳の位置は非対称。
・顔のゆがみ。
・片側の額は突出し、反対側の額は傾斜。併せて、左右の頬骨に額と同様のゆがみが見られる場合がある。
・短頭症と合併した形状。
短頭症の場合
短頭症とは頭蓋の前後が短い状態をいいます。頭の前後径と横径の幅を比較した際、長幅指数(幅×100/長)の数値が80以上で「症」を付ける診断の定義になるとされています。日本人の場合は80以上94未満であれば正常、94以上で軽度、101以上になると重度とされています。また、ダウン症の赤ちゃんは短頭傾向にあり、長幅指数が85以上になるとされています。
・後頭部の球形が平たい。
・頭の横幅が通常の赤ちゃんと比べて広い。
・ハチ張りや頭頂部が尖って見える。
・左右の耳が開いて見える。
長頭症は頭の前後が長い状態を言います。長幅指数の数値が75未満になると「症」を付ける診断の定義とされています。70未満で過長頭になります。過去に、頭の前後が長く舟状頭蓋の疑いがある4歳の男の子の施術に携わったのみで、それ以外の長頭は見たことがありません。
頭の形の施術方法は、両手で左右の頭皮の表層を持続的に触れているのみの調整になる

頭の施術は、手の外力に対し頭蓋が安定した構造を保つことが出来るようになる生後4か月から開始します。
基本的な方法としては、成長と共に変化する頭蓋の構造・形状・強度に関わらず、両手のひら全体で頭の左右を包み込むように頭皮の表層を触れたまま、呼吸に伴う胸郭の動きを見ながら手の位置を持続していきます。もしくは、触れている際に頭皮の緊張が緩んだタイミングで、頭蓋の運動に沿って表皮に微弱なずらす力を加えていく調整となります。
あおむけで行う場合は、後頭部の下に両手を入れて頭を軽く持ち上げたまま、呼吸に伴う後頭部の運動をみながら手の位置を持続していきます。もしくは、両手のひら全体で頭の左右を包み込むように触れたまま、頭蓋の運動に合わせて微弱な力を頭皮に加えていきます。
例えば、手指で皮膚の色が白くなる程の力で頭を押します。
すると、手のひらと足の裏以外の皮膚は非常に薄いことで刺激は骨に到達し、手の力と同じ力の「内力」が凹んだり・膨らんだり・壊れたり・位置が動いたりしないように抵抗するため、頭は動きません。その際、呼吸に伴う胸郭の動きに連動して行われる頭蓋の運動を妨げてしまいます。
一方、頭蓋の剛性が低ければ力の釣り合いがとれず、手の外力に内力は負けてしまう可能性があります。
つまり、頭蓋の内力が抵抗すればそれほどの危険性はないものの、内力が抵抗できなければ危害を加えてしまう恐れがあります。そのため、頭蓋変形に対し頭に「マッサージ・矯正」を手掛けることは、医療上通常行ってはならない相対禁忌とされています。
そのことから、手指で皮膚をずらすように移動させて頭蓋を動かしたり・頭蓋の平面に対して骨に刺激が向かうような方法では内力が生じます。
それらを踏まえた上で、施術を行う際には、頭皮の色が白くならないように頭を触れます。そして、呼吸に伴う頭蓋の運動に合わせて、頭蓋の平面に沿って表皮を微弱にずらすように動かして調整を行います。
1回の施術では、変形を治すというよりも左右のゆがみを調整する ことが目的になる
当店の頭の形の施術は、直接的に頭蓋骨の出っ張りを凹ませたり・扁平な部分を膨らませたり・前後径の長さを変化させたり・頭蓋を大きくしたり小さくしたりすることができません。
そのことから、斜頭症・短頭症などの影響で現れた絶壁・ハチ張り・でっぱりに対し、左右のゆがみを調整することで、見た目の絶壁・張り・でっぱりの治らない部分を目立たなくすることが目標となります。
頭蓋は皮膚の色が白くならないほどの弱い力で触れると、内力の抵抗が弱まることで年齢に関わらず僅かな動きをつくることができます。しかしながら、頭が非常に柔らかい赤ちゃんであっても調整で動く範囲は少ないです。
そのため、1回の施術で形を整えてから1か月の間隔を空けて頭の成長を待って調整を行います。そうすることで、変形を解消することが出来ない問題の部分を少しずつ補っていきます。
大人は頭蓋の成長が落ち着き、剛性が高く、構造が安定しているため、調整した位置を保つ力が高いですが、成長を利用した施術が徐々に難しくなります。そのため、大人の場合は頭に加える手の力は子どもと同等でも、ずらす力を加えた調整を多めに行います。
調整の受け方は、抱っこ・座り・あおむけの姿勢で行う

基本的に0歳~5歳未満のお子様は、身体を起こした状態で行います。お子様の頭は柔らかいため、あおむけで行うと床から受ける力が勝ることがあり、手の誘導が正確に伝わらないことがあるからです。
0~1歳のお子様は、保護者様がベッドや椅子に座っていただき、お子様との対面抱っこをお願いしています。その上で、施術者は頭の後ろ側から両手で触れて調整を行います。
※首のすわりが未だで頭がぐらついてしまう場合は、仰向けで行うことがあります。反対に、向き癖があり首の力が強い場合は、抱っこで行います。特に赤ちゃんの場合、発達の過程や状況に応じて抱っこ・お座り・つかまり立ち・仰向けを使い分けて行うことがあります。
2歳~4歳のお子様は、ベッド上に座って行います。※3,4歳の頃から形状や動きの硬さに応じて、あおむけになり重力を加えながら行う場合があります。

5歳の頃になると、頭蓋の剛性が高くなるため、頭の重みを利用して調整を行います。そのため、ベッドであおむけになり行います。※形状によっては後頭部の膨張を促すため、座って行う場合もあります。
ゆがみに対する左右の位置合わせのやり方

斜頭症は、片側後頭部の斜め平たい側の頭蓋が顔側に向かって偏位します。
右斜頭の場合には、まず左側の側頭部もしくは後頭部を左手全体で触れて頭を支えます。その上で、右手で右側の頭頂部・側頭部の表皮を触れ、偏位している右側の頭蓋を右側後頭部の平たい側に向けて呼吸に伴う頭蓋運動に合わせてずらすように動かすことで、反対側の左側の頭蓋・耳の位置に合わせていきます。
左斜頭の場合には、右斜頭で行う調整を左側の頭蓋に行います。

・左右のハチ張りに対する方法。
両手全体で左右のハチもしくは側頭部の表皮を包むように触れたまま、頭蓋の運動に合わせて手の位置を持続します。もしくは、両手で左右の側頭部の表皮を触れ、側頭蓋の上下もしくは前後の方向へ行われる運動に合わせて微弱に動かすことを繰り返していきます。
あおむけで行う場合も、同様のやり方を行います。

・絶壁や出っ張りに対し頭頂部を施術する場合
お子様の場合は、両手の親指の指腹で左右の頭頂部の表皮を触れます。その上で、胸郭の動きを見ながら持続的に触れているのみです。もしくは、頭皮の緊張が緩んだタイミングで、微弱なずらす力を後頭部に向けて加えていきます。
あおむけで行う場合は、左右の頭頂部を左右の手掌で包み込むように触れます。その上で、呼吸に伴う胸郭の動きを見ながら手の位置を持続しているか、もしくは頭頂部の運動に合わせて表皮に微弱なずらす力を後頭部に向けて加えていきます。
成長による誘導を利用するため、30日に1回(月1回)の頻度で行う
当店では、期間をかけながら頭の形を丸くする方法で行います。そのため、施術を受けてから「約30日後」にご予約をお願いしております。
頭蓋は骨が隣り合って接合する縫合に骨が補充されることで「成長」が行われます。成長を待たないと頭の形を整えた位置からの成長・補強がされていかないからです。
施術期間は、ゆがみの程度・施術開始時期・改善の個人差によって異なりますが。
・赤ちゃんから始めた場合は、10か月~1年~1年半位。
・1~2歳以降であれば、1年~1年半~2年~3,4年位。
※あくまでも目安になり、施術終了の年齢やメドというものはありません。
個人差はありますが、5回目ぐらいから変化が見られます。
特に赤ちゃんは頭が柔らかく、頭蓋は2歳頃まで成長が旺盛であることから、施術開始時期が早いほど、改善が早くなる場合があります。
※年齢が経過するほど期間を要す理由の1つとして、大泉門が早ければ生後7,8か月頃から閉鎖するからです。そのため、1歳を過ぎると形状が定まり始めることで、改善に期間を要する場合があります。
施術を受けているお子様の親御様からは、受けてから35日を過ぎると形が戻ってしまうと伺うことがあります。形状が落ち着くまでは、25日~35日の間に施術を受けられるのがベストです。
1回の施術で、頭の形を調整できる範囲は限られていることがわかっています。
そのことから、当店では成長を利用して30日のペースで施術を行うことにより効果を高めていく方法であるため、週に1回のペースで数か月の期間で行う施術は行っていません。
また、数回のみの施術では調整途中であることや、成長が得られないことから改善が難しいです。
男性の頭蓋は女性と比べて剛性が高く柔軟性が低いことから、改善の仕方に性差が現れる可能性があります。
また、強い変形であれば改善の難しい箇所が現れます。
ご来店の際に、変形を目視で確認し評価した上で改善度についてお伝えしていきます。
頭蓋の施術に関して
頭蓋変形・形を変える目的で頭部に行う施術は、あはき法(あん摩マツサージ指圧師・はり師・きゆう師等に関する法律)・柔道整復師法・理学療法士及び作業療法士法・保健師助産師看護師法に含まれません。
日本では医師を除く医療国家資格免許・保健所登録の施術業務に、頭の形・頭蓋に行う変形の施術は含まれないため、手で頭に行う変形の矯正に有効かつ必要な国家資格免許は存在しません。
そのことから、当店の頭の形・絶壁・頭蓋変形(斜頭症・短頭症・長頭症)の施術法はマッサージ・徒手矯正・手技療法・整復などの医療行為ではなく、「整体・民間療法」になります。