
斜頭症の施術(ケア)のやり方を解説
「あたまぁる」では東京都八王子市にて、赤ちゃん・幼児・学生・大人の方々に、頭のメンテナンスを提供する事業をしています。
当店の頭のメンテナンスは「頭の形」にこだわっています。特に、ヘルメット治療期間を過ぎて「幼児期~児童期」になっても形が解決しないお子様に力を入れて取り組んでいます。
当ホームページでは、斜頭症などの頭の形のメンテナンスのやり方について材料力学の視点から解説しています。
メンテナンスケアのやり方
基本的な方法としては、年齢(月齢)や成長と共に変化する頭蓋の「構造・強度・剛性」に関わらず、頭の形状に応じて、両手のひら全体もしくは指の腹で、頭の左右(前頭、頭頂、側頭、後頭)の頭皮の表層を触れます。
その上で、呼吸に伴う胸郭(肩周り)の動きを見ながら「頭蓋の変動」を感じとります。
そして、変動に応じて、頭皮の表層を持続的に触れたり、頭皮の表層に微弱な力を加えていきます。
両手で左右の頭蓋を包むよう触れることで、頭蓋骨の安定を保ち、成長(様子)を見ながら慎重に施術(ケア)を行います。
頭の形(斜頭症・短頭症・長頭症・絶壁頭・ハチ張りなど)のケアは、手の力で、頭蓋骨(縫合)に応力を発生させることにより、塑性変形の原理を利用して、「非常に優しい力で」「ゆっくりと」「期間をかけて(成長を見ながら)」「少しずつ」ケアをしていきます。
【変形が落ち着いてからケアを開始する】

まず、頭の形の施術(ケア)は、変形の進行が落ち着くことで、頭蓋骨内で大きくなっていた応力が小さくなる生後6か月頃から始めるのが最適解であると考えます。
例えば、生後1か月ぐらいに変形が現れた後も、生後6か月未満までは、CVAI(Cranial Vault Asymmetry Index)「頭の左右の対角線の長さの差を比率で表した数値」が変動する可能性があります。
CVAIは、生後1か月よりも3、4か月の頃に数値の悪化のピークを迎え、4か月を過ぎると数値が徐々に下がり、生後6か月頃に生後1か月の数値に近くなるという報告があります。
また、生後1か月頃に親御様がお子様の頭のゆがみに気付いて来店され、その後の経緯を伺うと、「生後1か月頃に重度の変形の診断を受けた後、生後3か月頃にゆがみが悪化したが、その後は落ち着いて生後6か月頃に改善した」と伺いました。
つまり、生後6か月頃までは変形が落ち着かず、頭蓋内の応力が高い状態を保っている可能性があり、頭に手による外力を加えてしまうと、変形を助長するおそれがあります。
脳内圧力を考慮して行う
【頭蓋骨の構造に対して施術(ケア)を行う際には、以下の手の圧力を超えないようにすることが重要です】
・身体を起している時は年齢にかかわらず「約5mmHg」。
・赤ちゃんがあおむけで寝ている時は「1mmHg」。
・小学生~大人があおむけで寝ている時は「約5mmHg」。
※1mmHg=約1.33hPa(ヘクトパスカル)=約13.6mmH₂O=約1.3cmほど水が持ち上がる程度の力=約7g=500円玉1枚の重さ。
・医療用着圧ソックスの弱圧力で20hPa。
・スイミングキャップを被ったときの頭にかかる圧力で10hPa~40hPa程度。
例えば、普段の血圧の上が120mmHg、下が60mmHgなどと比較すると、5mmHgは全く強い圧力ではありません。
ですが、頭蓋骨の内圧と比べて手の外圧(手の圧力)の方が大きくなってしまうと、「脳脊髄液の流れ・呼吸に伴う頭蓋骨の運動」を抑えてしまうことや、縫合線に大きな応力が生じることによって、頭蓋に負担をかけてしまいます。
頭蓋骨の「偏位(歪み)」をケアをする
・頭蓋に外力が作用して、頭蓋または頭蓋骨のパーツそのものが「形を変える」ことを「変形(頭蓋変形)」と言います。
・頭蓋に外力が作用して、頭蓋骨のパーツそのものが位置を変えることを「偏位(変位)」といいます。
頭蓋または頭蓋骨のパーツは、変形する過程で、必ず「偏位」を伴って頭の形を変えます。

骨自体が変形している部分に対して、手の力の施術(ケア)で、頭蓋骨のパーツそのものの「変形(形)」を直接的に変えることは、非常に難しいです。
頭蓋骨や縫合が持つ「粘性」を利用する

「頭蓋骨」と骨同士が連結する「縫合」は、非常に優しい力(小さい力)で頭を触れられたときの「耐性(抵抗力)」が非常に低くなります。
※「非常に優しい力」というのは、頭蓋骨を覆っている皮膚を触れたときに、頭蓋骨に刺激が到達しない力です。例えると、紙風船を手で触れた時に、触れている部分の紙が凹むか凹まないかぐらいの小さい力です。
それにより、骨のたわみと縫合の粘性を利用して頭の形をケアすることができます。
そのことから、非常に優しい力と縫合の粘性を利用することにより、縫合を基点に多少なりとも「偏位(左右の骨のずれ・頭蓋の歪み)」をケアすることは可能です。
それにより、骨自体が変形した部分であっても、頭蓋の曲線の曲がり具合の流れが、多少なりとも落ち着く期待ができます。
斜頭症は難易度が高い

結論から言うと、頭の形の施術(ケア)で一番難しいのが、平坦に変形している部分を膨らませることです。
特に、斜頭症の場合、片側の後頭部の周囲が「斜めに平坦」になっています。また、短頭症と長頭症の形状と合併している場合があります。
その際、斜め平坦な面の間を走る側の「ラムダ縫合」が圧迫を受けている可能性があります。
加えて、斜め平坦が「小泉門」や「片側の頭頂骨や側頭骨」にまで及んでいる可能性があります。
また、1つの頭蓋骨の中で、「後頭部の斜め平坦の変形」と併せて、他の部分に異なる変形を示している可能性があります。
そうすると、施術(ケア)の難易度は高くなります。
頭の形の施術(ケア)の中で、斜頭症が一番複雑で難しいと考えます。
施術(ケア)が難しくなる理由

①頭蓋骨に手の力を送り込んで歪み(偏位)をケアできたとしても、それに比例して後頭部の斜め平坦の形が変わっていかない(左右の耳の位置が合ってきても、成長で斜め平坦がなかなか膨らんでいかない)からです。
例えば、右斜頭の場合、左側の頭蓋骨や右側の前頭骨や頭頂骨や側頭骨から押して斜めの面に向けて刺激を与えても平坦な部分は、なかなか膨らみません。
②頭頂骨を左右に分けている「矢状縫合」の直線が、途中で後頭部の斜めの面と反対側の後頭部に向かって曲がってしまうからです。
つまり、左右の頭頂骨(頭頂部の中心)は変形の影響で曲がっていることから、曲がった骨を真っ直ぐにすることが難しいです。
③斜頭症が中等度以上になると、斜め平坦の面と反対側の後頭骨が、後頭部の方に向けて突出する変形が現れる可能性があります。
そうすると、突出している部分から斜め平坦が始まるので、斜めの面の幅が広がることや、斜めの角度がきつくなるからです。
④片側のラムダ縫合が圧迫を受けると、斜め平坦な面の後頭部の呼吸に伴う前後運動は非常に小さくなります。
また、右斜頭の場合、左側の後頭骨と比べて、右側に斜め平坦な部分の後頭骨・頭頂骨・側頭骨の体積が減っています。そうすると、右側の斜め平坦な部分を手で触れてケアをしにくくなります。
①・②・③・④の要素に加えて、乳児期を過ぎてくると、形はより定まっていくことから、地道なケアが必要になります。
斜め平坦の変形の対策として、呼吸に伴い後頭部が後屈する動き(後頭部の運動)に合わせて後頭部のケアをすることです。
斜めの面にわずかでも隆起する成長が起こるように、後頭部の運動を促していきます。
特に斜め平坦な面は、運動を促すにしても(運動を起こさせるにしても)期間を要します。
日常の中でもセルフケアが必要になります
幼児(1歳)を過ぎて、斜頭、短頭、長頭、絶壁頭の形状が見られる場合は、頭の形が定まっていることから、施術(ケア)や成長を利用するだけでは、後頭部の形に変化が現れてこない可能性があります。
そのことから、当店では、施術(ケア)と併用して、後頭部(頭蓋骨)の強化が必要になると考えています。
以下で紹介するセルフケア(ホームケア)を日常で取り入れていただけると幸いです。

鼻呼吸を意識すると、呼吸のリズムを作りやすくなるため、口呼吸と比べて後頭部の運動の時間や大きさを得られます。
※通常呼吸のリズムは、1:1.5~2(息を吸うのが1~2秒:息を吐くのが1~2~3秒)の割合。
※口呼吸では、呼吸が浅くリズムが早くなります。


背骨の運動や背骨周りの筋肉を強化することにより、後頭部に付着する筋肉で平坦な後頭骨を牽引します。



首や背筋などの体幹の筋肉を強化して、頭の位置を正しい頭の位置を保つことにより、後頭骨の安定を図ります。


斜め平坦に変形した後頭部の運動を起こしたり、正確な運動が行われるようにしていきます。

「後頭部の中心がどこにあるか」の意識を向かわせて、脳に覚えさせるトレーニングです。
【特に子どもの場合】
斜頭の影響で後頭部に斜め平坦が現れると、後頭部や乳様突起(耳の後ろ側の骨)に付着している首や背中の筋肉の太さ・緊張に左右差が見られます。
また、左右のハチが張り、後頭部が真っ直ぐに平坦(絶壁)に変形すると、後頭部の横の広がりを首や背中の筋肉で支えきれません。
後頭部の中心が突出している長頭の場合は、頭の前後が長くなることから、身体を首や背中の筋肉で頭の前後の動きを支えきれません。(子どもは頭の大きさに対して首や背中の筋肉が細いことから、頭を筋肉で支えられない)
そうすると、頭が左右に傾いたり、前後に傾いたりすることで、背中の姿勢は丸くなります。
それにより、後頭部の骨は安定した状態を保てなくなることから、筋肉の力で後頭部を牽引する力は弱くなります。
当店では、立っている時や座っている時の身体各部位の配置、いわゆる「姿勢や構え」が頭蓋骨(後頭部)の形成や成長に関わってくると考えています。
反対に、頭の形の歪みやいびつが、身体全身の姿勢や構えに関わってくると考えています。
そのことから、施術(ケア)の他に、頭蓋骨や体幹の強化が必要であると考えられます。
マッサージ・矯正は禁止?
はい、斜頭症などの頭蓋変形(頭の形)に対する「マッサージ・矯 正」は、厚生労働省(国)やあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・助産師・理学療法士等の免許の業務の中で行うことを公認していません。
手による頭の形の施術(ケア)は、どんな人であっても、国家資格ではない「整体(赤ちゃん整体)・カイロプラクティック・オステオパシー・療術など」の民間療法の領域になります。
変形した頭蓋骨の「矯正」と「矯正作用」について
「変形の矯正」は、頭蓋骨が変形した状態の骨に対し、外部からのマッサージの機械的刺激や物理的な刺激を加えてまっすぐに直して正しい状態にすることです。
一方で「変形の矯正作用」は、頭蓋骨の変形に対し、手によるマッサージの力を頭蓋に加えて内部に影響を与え、骨の変形や偏位が自らの力で矯正される働きや変化を起こすことです。
「変形の性質上」と「構造上の理由」から矯正作用は起こらない

赤ちゃんが向き癖や寝方が原因で、頭蓋骨が変形を引き起こす場合、変形をする過程で頭蓋の骨・筋肉・帽状腱膜・結合組織に明確な損傷をしません。そのことから、頭蓋骨が変形をする過程で、頭蓋骨は出血(内出血)をしないからです。
例えば、人間は骨折をすると、まずは出血をしてから正常な状態に戻す修復能力が有ります。 そのため、骨に対し周囲の筋・腱・結合組織にマッサージをして、神経伝達や血流を促すことにより自然治癒力が高まります。それにより、骨の自家矯正作用(骨が自分で元の健康な状態や形に戻ろうとする修復力)が早まります。
しかしながら、頭蓋の骨の変形の場合は、大きな損傷を伴わず変形を引き起こすことから、骨に出血(内出血)を伴わないため、骨を元の形に戻す作用が起こりません。
言い換えると、「損傷をせずに変形している骨」に対し、マッサージをして神経伝達や血流を促して自然治癒力を高めてあげても、骨自体に変形を矯正する「作用」は起こりません。
また、頭蓋骨の縫合は、赤ちゃんの頭蓋骨であっても、骨同士がほぼ直接接触しています。
そのことから、頭蓋骨の縫合部は「関節」と比べて、皮膚・筋・帽状腱膜・結合組織が非常に薄く、縫合部の骨と骨との隙間が非常に狭いことから、頭蓋骨の変形にマッサージをしても、頭蓋骨の皮膚・筋肉・帽状腱膜・結合組織・縫合線に、変形を矯正する「作用」は起こりません。
頭蓋骨に変形の矯正を行うことは、国、免許、法律で認められていない
厚生労働省は「変形の矯正は関節のみに対して行う施術である」と述べています。
また、地域の施術所を管轄する保健所に確認したところ、
『あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師による斜頭症などの頭蓋変形(頭の形)に対する「マッサージ・矯正・柔道整復術」は、「医療行為(医行為)」にあたる。
そのことから、あん摩マッサージ指圧業、柔道整復業(あん摩マッサージ指圧の免許行為、柔道整復の免許行為)に含まれない。
そのため、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師等の国家資格者の「業務範囲外」の施術である。そのことから、頭の形は国家資格を必要とする施術ではなく、民間療法になる。』
という回答でした。
あんまマッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復の「行為(業)」以外の治療行為の総称は、「医業類似行為」と呼ばれています。
「あはき法第十二条」の条文では、医師、歯科医師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師等の医療国家資格(医療免許)を持つ者であっても、医業類似行為を業とすることを禁止しています。
斜頭症などの頭蓋変形、頭の形に対する、手による「マッサージ・矯正」の施術行為(治療行為)は、「あはき法第十二条の中で禁止されている医業類似行為」に該当する可能性があります。
※医師、歯科医師は、頭蓋変形に対し、手による治療行為を「頭」に行いません。
あはき法第十二条の中で禁止されている医業類似行為は、「医の行為の一種」になります。それを「業」として行う場合は「医業」であると判断できます。
そのため、医師を除く者が「業」とすれば、無免許医業として「あはき法第十二条」並びに「医師法第17条」に抵触するおそれがあります。
関節が存在しない頭蓋に対して、手による「変形の矯正」の施術、もしくはマッサージによる「変形の矯正作用」を求めて頭蓋や身体全身に行う施術は、「国や免許(国家資格)」が公認していません。
