
斜頭症マッサージのやり方について|ゆがみに対する施術方法を紹介
「あたまぁる」では東京都八王子市で、頭の整体施術を行う事業をしています。また、生後1か月の赤ちゃんから大人の方々へ施術を提供しています。当店では、斜頭症や絶壁頭と呼ばれるものに対し、ゆがみの改善や予防を目標とした施術を行っています。頭の整体施術コースのご予約はこちら
ホームページでは※斜頭症とそのマッサージやり方についての情報、斜頭の形状に対する神経運動器協調の機能について紹介していきます。※片側の冠状縫合の早期癒合により生じた斜頭を除いた解説になります。また、医療というよりも材料力学の視点で解説していきます。
斜頭症について

斜頭症という言葉は、ギリシャ語で斜めの頭の意味が由来した用語で、生後2,3週から6ヶ月未満の赤ちゃんに現れる頭蓋変形です。外見上では主に後頭部の扁平が見受けられます。後頭部の扁平に対する施術方法はこちら
斜頭の原因は、赤ちゃんがあおむけの姿勢で頭を左右どちらかに傾けて後頭部が床などの面に接している状況になり、頭の重みが上から下に外力としてかかった時に応じて発生する頭の内力、すなわち応力が発生することです。
そして、斜頭の形状に変形する原因は、頭蓋内に自身の頭の荷重に耐え得る許容範囲を超えた応力が生じると同時に発生するゆがみです。ゆがみは、頭蓋内を対角方向に押し出しと圧縮に向かい、同時にせん断応力が作用して頭蓋の前後と左右をずらす方向へゆがみが向かいます。ゆがみに対する施術方法はこちら
短頭の変形の仕方について

後頭部と床面が接し、頭の重みが前頭部の中心付近から床面に向かって外力がかかると、頭の左右の横幅を広げる方向に押し出すゆがみが向かうことで、後頭部の膨らみが減り、頭の前後に圧縮するゆがみが向かうことで、短頭の変形が現れます。
また、赤ちゃんが顎を引いたあおむけの姿勢で後頭部と床面が接すると、前頭部の上部から後頭の下部に向かって外力がかかるため、後頭の下部から頭頂部を高く押し出す方向へゆがみが向かう短頭の変形が現れる可能性があります。短頭の施術方法についてはこちら
変形の経緯について
頭が右側に傾いた場合の斜頭に変形する経緯は、右側の後頭部が床などの面に接し、左側の前頭部から床に向けて頭蓋に力が作用すると 、頭蓋内に縦と横方向の引っ張り応力が生じ、他方が圧縮応力となります。これにより、右側の前頭部と左側の後頭部を押し出す(引っ張る)ゆがみ、左側の前頭部と右側の後頭部を圧縮するゆがみが生じます。同時に、頭蓋表面にはせん断応力が生じます。そうすると、前頭部が右方向へ、右側の側頭部が前方向へ、後頭部が左方向へ、左側の側頭部が後ろ方向へと頭蓋をずらすゆがみが生じます。そうして、ゆがみが累加することで斜頭症の変形が現れます。
また、頭の骨が作られている途中の赤ちゃんの頭に力が作用すると、頭蓋泉門や軟弱である骨の間の連結部に応力が集まりやすくなります。
併せて、一方向で押し出し、他方向が圧縮のゆがみの場合は、一軸応力の場合の二分の一の応力でゆがみを許します。そうすると、頭蓋内の応力は抵抗が出来ず、斜頭や短頭の変形を短時間で許しやすくなるため、気が付いた時には頭の形がゆがんでいたケースも少なくありません。斜頭症の対策についてはこちら
顔のゆがみについて

せん断応力のずらすゆがみは頭と併せて顔に向かいます。そして、顔にはタオルを絞るような応力、いわゆるねじれ応力が発生します。それにより、右斜頭の場合は左目と比べて右目が大きくなり、右側の前頭骨と頬骨と上顎骨が突出します。それにより、頭を顎の真下から見ると、前頭、頬骨が右側から左側に傾斜して見えます。
また、上顎骨が突出すると上顎と下顎の歯が弓状に並んでいる部分の曲がり具合が左側と比べて右側は緩やかになるため、右側の歯並びの曲がり具合が緩やかになります。そのため、鼻尖の向きと唇が左側へ向かうゆがみが生じます。前頭部の施術方法についてはこちら
ゆがみの大きさについて

斜頭の形状にゆがみ、耳の位置が前方に変位した側の前頭部と対角側の後頭部が突出するゆがみが生じた場合、頭の真上を左右に分けた中心線から左右30°の対角線に差が現れます。そして、対角差が1㎝以上あると、一般の人が外見上で頭をパッと見た時に、ゆがみや左右の耳の位置の非対称を感じ取れると考えられます。
なお、集音作用がある耳介の位置が左右非対称を示すと、人間は音が出ている方向を正しく認識することが出来なくなる可能性があります。左右の耳の位置を調整する方法はこちら
赤ちゃんは頭が右側に向きやすくなる

赤ちゃんは出産直後から頭を右側へ傾ける傾向にあります。妊娠後期中の胎児が、左側の後頭部を骨盤内の恥骨側に位置するように胎向を作ることが原因です。このことから、胎児は頭のてっぺんを産道向けて、右側に頭を傾ける動作を繰り返しながら産道入り口に頭を嵌めこむ行動をします。
頭が右側へ傾きやすくなるまでの経緯は、胎児が頭の位置を下に向けて妊娠後期の正常な胎向を作る際に、胎内の形状に応じて身体を右側へ回旋する行動から始まります。妊娠35週目に入ると、産道入口付近で胎児の頭蓋が成長し大きくなることで、産道入り口付近の形状から頭が右側に傾き始めます。そして、頭が産道入り口付近で徐々に窮屈になることで、胎児は頭を右側へ傾ける動作を妊娠40週目まで繰り返します。以上の経緯により、赤ちゃんは出産直後から頭を右側に傾けることを選びます。
また、頭を右側に傾けた位置で固定されていると、左側の前頭部は仙骨、右側の後頭部は骨盤内の一方の外側に対して力が作用するため、妊娠後期中に斜頭症に変形する可能性があります。
右側に頭が傾く赤ちゃんが多くなれば、後頭部の変形が右上斜め扁平に向かう斜頭症の割合が多くなる可能性があります。また、妊娠35週未満で出産した赤ちゃんも仰向け姿勢で頭が右側に傾きやすいため、出産に向けて生命が誕生したときから備わっていると考えられます。
赤ちゃんに斜頭症が発生すると
赤ちゃんは出産直後から頭を傾けた位置を選ぶと、その位置を好み、居心地を覚えてしまいます。そうすると、頭の荷重が持続的に作用するため、結果的にゆがみを発生させる助けとなります。
そうして、斜頭症の変形を発生すると、後頭部の扁平の形に沿って頭を傾けたまま居心地を覚えてしまいます。そのため、あおむけの姿勢の状態で身体を左右に動かさなくなります。結果として、寝返り動作が行われる時期に寝返りをしなくなったりします。
また、頭の前後が長い形状の斜頭症の赤ちゃんが仰向け寝になると、顔を正面にするのが難しく、頭が左右に倒れるよう傾いてしまいます。すると、頸の前側の筋肉や胸筋が上手く使えず背筋が作用しやすくなるため、身体に反り返りが生じやすくなります。頭の傾きと併せて反り返りが生じると、頭が傾いている側と反対側の肩が床から浮き上がってしまいます。
以上のことから、寝返り動作が出来なかったり、一方の側に寝返りが偏ったり、両手を組めなかったり、頸すわりの時期に遅れが生じたりします。その際、体幹の捻じれが生じているため、頭が傾いている側と反対側の足が外側に倒れるように開いてしまいます。斜頭の形状と神経運動器協調の機能の関係についてはこちら
頭蓋変形を予防する対策
斜頭症の発生を防ぐ対策としては、頭の後ろ側が傾いたままの位置で面に接する時間を作らないことです。そうすると、頭の荷重の力が頭蓋内に作用しないため、寝ている赤ちゃんの後頭の接している位置をこまめに変えてあげることです。しかし、頭の位置を変える方法は難しい場合があります。その理由は、頭が傾いた位置を直しても赤ちゃんは再度傾いた位置を選ぶ傾向にあるからです。そのため、頭を傾かせない方法としては、赤ちゃんと目線を合わせた対面抱っこをして顎を引かせ、指しゃぶりを促すことです。
別の方法としては、赤ちゃんの頭蓋に時間依存性の繰り返し荷重が日常的にかかったとしても、疲労限度以下の頭蓋内の応力であれば頭の形が歪みません。そのため、赤ちゃんがベッドや布団で寝ている時や育児で横抱きをしている際に、緩衝材として頭の後ろ側に折ったバスタオルを入れてあげることです。結論として、赤ちゃんの頭蓋は小さな外力でも頭蓋の弱い部分を起点に変形を発生させます。
斜頭症マッサージのやり方と異なる施術方法

当店では、斜頭症や短頭症を治すというよりも、左右のゆがみを調整していくことが施術の目的になります。そのため、マッサージのやり方を行うというよりも、ゆがみが向かった方向と反対方向に向かう力を加える調整を行います。
例えば、斜頭症に対して頭を押す、こねる、さする、なでる、揉む、引っ張るなどのマッサージをします。すると、頭は凹んだり、壊れたり、位置が動いたりしないように頭の内力が抵抗するため、ゆがみが調整されないことです。反対に、斜頭症の変形をもつ2歳未満の子どもの頭蓋にマッサージの力が加わると、頭蓋内に疲労限度を超えた応力が生じる可能性があります。
そのため、左右のゆがみに対する施術のやり方として、穏やかに頭皮の表面を触れている程度で調整を行います。その際、年齢に関わらず同じ力加減となります。施術の通い方についてはこちら
変形の性質について

上記の右斜頭症のイラストのように、後頭部に面した黄色矢印は左側の後頭部に分布が偏っており、曲がり具合も左側の後頭部に限局されています。一方、右側の後頭部面はフラット面が長く、1本、1本の矢印が分布されず、均等で同じ力の方向を矢印が示しています。
以上のことから、後頭部の曲がり具合がきつい部分と扁平部分とでは、押し出る力の分布が異なります。そのため、変形をした後の見通しとして、右側の扁平の部分が自然に丸く成長しにくくなる可能性があります。
また、胎児期から生後3,4か月までの赤ちゃんの頭蓋は、ゴムのような弾力性がない柔らかさのため、一度頭蓋が斜頭症に変形をすると自然に元の形に戻るのは難しい、いわゆる塑性変形(そせいへんけい)または残留変形(ざんりゅうへんけい)に近い現象を引き起こします。その際、赤ちゃんが頭蓋を骨折や損傷した時のような自身で正常な形に矯正する力、いわゆる自家矯正作用や自然治癒力が働かないことです。
そして、頭蓋は2歳を過ぎると通常の頭の形に骨が正しく湾曲したり、縮んだりしない不可逆的な性質になる理由から、時間が経過しても自然に変形が矯正されなくなります。
また、頭蓋の縫合は向かいあう骨と骨の間隙が狭く、身体の骨と骨の間隔が広い関節と比べて運動性が制限されるため、マッサージの効果として期待される矯正作用も同様に働きません。
したがって、斜頭症の変形によって生じた頭蓋の出っ張りに対して、手で直接頭蓋を押すマッサージやり方をして縮めることは難しくなります。同様に、後頭部の扁平部に対してマッサージや手技などのやり方で引っ張っても、後頭部を膨らませるのは難しくなります。
そのため、変形の性質上の理由から、ゆがみを調整する方法で施術を行っています。施術を行う上で留意点はこちら
施術の姿勢

ベッドの上で施術を行う姿勢として、頸のすわりがまだのお子様は仰向け寝の姿勢で施術を行います。頸がすわったお子様は保護者様がベッドの上もしくは椅子に座って対面抱っこをお願いしています。その上で、施術者は頭の後ろ側から調整を行っていきます。
2,3,4歳のお子様は座り姿勢になります。その上で、施術者は頭の後ろ側から調整を行っていきます。
大人の方は仰向け姿勢になります。施術者が椅子に座り、頭頂部側から重力を加えながら調整を行います。頭蓋が成長により強度が増し、調整できる範囲が少しずつ狭くなる理由からです。
以下では、斜頭症の頭を真上から見た時、後頭部が右斜め前方の扁平と併せて、生じた左右の耳の位置の非対称、右側の額のゆがみ、左側の側頭部と後頭部のゆがみに対する施術方法の一例を紹介していきます。施術の流れについてはこちら
後頭部の斜め扁平に対して

0歳から1歳半未満の赤ちゃんは、両手で頭全体をおおうように頭皮の表面を触れます。そして、触れたままの位置でそのまま持続させる調整を行います。
1歳半から5歳未満のお子様は、両手で頭全体を包むように触れ、頭頂部や側頭部から後頭部に向けて力を加える調整で後頭部の改善を行います。
大人の方は、両手で側頭部や頭頂部を包むように触れて、側頭部や頭頂部から後頭部の膨らみがあったとされる方向へ向かう力を加えます。
右側の耳の位置の前方のずれ

頭の形が前後左右にずれたゆがみが生じた斜頭症に対しては、左右の耳の位置を合わせることが施術の目標になります。
0歳から1歳半未満の赤ちゃんは、左手で左側の頭部を触れて頭を支えながら、右手の指腹から手のひらの順で右側の側頭部と頭頂部の全体を包むように触れます。そして、触れている手の位置のまま持続させる調整を行います。
1歳半から5歳未満のお子様は、左手で左側の側頭部を触れて頭を支えながら、右手で右側の側頭部の前側から右側の耳の後ろ側や右側の後頭部の方向へ向かう力を加えます。
大人の方は、施術者が左手で後頭部を軽く持ち上げて浮かせながら頭を支えます。その上で、右手で右側の側頭部の前側から右側の耳の後ろ側と右側の後頭部の方向へ向かう力を加えます。
左側の耳の位置の後方へのずれ

0歳から1歳半未満の赤ちゃんは、右手で右側の後頭部を触れて頭を支えながら、左手の手のひらから指腹の順に包むように左側の側頭部と頭頂部の全体を触れます。そして、触れている手の位置のまま持続させる調整を行います。
1歳半から5歳未満の方は、両手で両側の側頭部を触れ、右手で右側の側頭部を触れて頭を支え、左手で左側の側頭部の前側もしくは後ろ側から左側のこめかみや左側の前頭部に向けて力を加えます。
大人の方は、頭を右側へ傾け、施術者が左手で側頭部の後ろ側から後頭部を触れて頭を軽く固定します。その上で、右手で左側の側頭部の中心から左側のこめかみに向けて力を加えます。
前頭部が右側へゆがんだ場合

0歳から1歳半の赤ちゃんは、施術者が右手で右側の頭部を触れて頭を支え、左手の母指以外の指腹を右側の前頭部にあてがい、指腹から手のひらの順で前頭部全体を包むように触れたままの位置で持続させる調整を行います。
1歳半から5歳未満の方は、施術者が右手で右側の側頭部を触れて頭を支え、左手で右側の前頭部から左方向へ向かう力を加える調整を行います。
大人の方は、頭を左側に軽く傾け、施術者が右手で右側の側頭部を触れて頭を支えます。その上で、左手で右側の前頭部から左方向へ向かう力を加えます。
後頭部が左側へゆがんだ場合

0歳から1歳半の赤ちゃんは、施術者が右側の側頭部を右手で触れて頭を支え、左側の側頭部や左側の後頭部を包むように触れて、そのままの手の位置を持続させる調整を行います。
1歳半から5歳未満の方は、施術者が右手で前頭部または右側の側頭部を触れ頭を支えながら、左手の母指で左側の側頭部や左側の後頭部から後頭部の中心へ向かう力を加えます。
大人の方は頭を右側に傾け、施術者が右手で左側の側頭部を触れて頭を支えます。その上で、左手で左側の側頭部や左側の後頭部から後頭部の中心へ向かう力を加えます。
ハチ張りの施術のやり方

0歳から1歳半の赤ちゃんは、両手で頭全体をおおうように頭皮を触れ、穏やかに頭を包むようにしたままの手の位置を持続させます。
1歳半から5歳未満の方は、両手で左右の側頭部やハチを覆うように触れ、ハチの前側からハチの後ろ側の方向や後頭部の中心の位置に向かう力を加えます。
大人の方は、施術者が左手で後頭部を軽く持ち上げて浮かせながら頭部を支えます。その上で、右手でハチを触れて、右側のハチの前側から右側のハチの後ろ側の方向や後頭部の中心の位置に向かう力を加えます。そして、手を入れ替え、左側のハチを同様のやり方で調整を行います。
突出した頭頂部に対しての調整

0歳から1歳半の赤ちゃんは、片手で後頭部に手を添えながら頭を支え、もう片方の手で頭頂部の前側から後ろ側にかけて包むように頭皮を触れたままの手の位置を持続させます。
1歳半から5歳未満の方は、片手で後頭部に手を添えながら頭を支え、もう片方の手で頭頂部の前側から後頭部の中心に向けて力を加えます。
大人の方は、後頭部を片方の手で軽く持上げて頭を支え、施術者がもう片方の手で頭頂部の前側から後頭部の中心に向けて力を加えます。
斜頭症と神経運動器協調の関係について
神経運動器協調とは、身体の各部位に存在するメカノレセプターから情報を得ることで筋肉が協調し合い、筋肉の運動する部分が正常パターンで動くことを言います。人間は左右対称の頭の形の情報を脳に送り続けることで、脳は頭の状態と頭の状態に対する身体の状態の関連性を把握しています。
また、体幹の筋や腱の情報が中枢神経に伝達され、頭の形に対応した筋肉の緊張や収縮が行われます。人間は立ち姿勢や身体の動作で姿勢が変化した際にも、頭が傾かずにいられます。頭皮の受容器の知覚情報からや頸の関節のメカノレセプターが頭の位置情報を収集すると、頸の関節位置覚や運動覚が認識をして頸の左右の筋肉が協調することで、頭が傾かないように制御をして頭の位置を固定しているからです。
斜頭の形状に対する頭の位置情報を頸の関節メカノレセプターが収集すると、頸の位置覚や運動覚の認識が通常の頭の形状や位置と異なります。そうすると、左右の頸の筋肉の協調が異常パターンに作動し、頸の筋緊張や筋収縮に左右差が生じます。結果として、頸の関節メカノレセプターに負担がかかり位置覚や運動覚の機能が低下することで、頭が左右どちらかに傾いてしまいます。
また、斜頭の変形をもつ2歳から10歳くらいまでの子供は、顔を正面にしたあおむけ姿勢で寝ることが難しくなります。なぜかというと、あおむけになった際に成人に比べ胸板が薄い子供は、一方の側の後頭の突出変形が床に当たりやすくなることで頸と両肩が浮きあがってしまうからです。結果として、後頭の斜め扁平面に沿って床面に接することで頸と両肩が浮きあがりを回避出来るため、仰向け寝は頭のみが横に傾いた姿勢になります。日常的に頭が傾いた寝方は頸椎や頸の筋肉が捻じれるため、頸の関節位置覚の機能低下が起こる可能性があります。そうすると、左右の頸の筋肉に協調的な活動が行われず、立ち姿勢の際に頭の傾きを制御出来ません。
頭が日常的に傾くと
人間は頭の傾きを制御出来ないと立ち姿勢の安定性を欠くため、身体の姿勢不良に繋がります。
そして、頭が傾くことで身体の重心の位置が移動するため、両足の足底に均等に体重が乗らず両足の母趾でしっかり地面を捉えられなくなります。そのため、両足底で身体を支えるための情報源となる足底のメカノレセプターに的確な身体の情報を伝えられません。足底メカノレセプターの情報量が少なければ、上半身の姿勢を制御する下半身の筋肉操作が正常に作動しないため、各関節に緩みが生じ各関節が不安定になるため身体にゆがみが生じやすくなります。
日常生活の影響について
1. 頸の関節メカノレセプターの低下により左右の筋肉の作用に異常があると、身体の左右一方の側の筋肉で体幹を固定しながら、もう一方の側の筋肉に力を十分伝えることが出来なくなります。そうすると、立ち座り姿勢が傾いてしまうことで、姿勢を保持しながらの鉛筆や箸が器用に使えなかったり、スポーツの際に空手でジャブを打ったりやサッカーでボールを蹴る際に威力が弱まったりします。
2. 足でしっかり地面をつかむことで姿勢の制御をして、身体の情報を得ている足底メカノレセプターの機能が低下し安定した姿勢を維持出来ないと、自分で姿勢を直そうとしても反り腰になってしまったり肩が巻き込んでしまいます。また、片足立ちが不安定になったり、ぎこちない歩行や走行なったり、野球でフォームが乱れたままボールを投げることで肩や肘に負担をかけてしまいます。そして、もし転倒しそうになった時に筋の作動が遅れるため、身体の各部分の関節の損傷に繋がるリスクになります。
そのため、神経運動器協調の機能低下は、子供の身体が成長する時期の運動発達に影響を及ぼす可能性が考えられます。
参考文献
大場弘 本多直人."第一次呼吸機序の研究 頭蓋内圧変動の測定から"一般社団法人 日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC) .2020/10/16/ 1-9-13.pdf (jsccnet.org)(参照2022-02-27)日本カイロプラクティック徒手医学会誌voi.1(2000)
原著論文 第一次呼吸機序の研究 頭蓋内圧変動の測定から 大場弘 本多直人
著者 L.P.ガードナー J.L.ハイアット
監修者 石村和敬 井上貴央
「最新カラー組織学」西村書店(2003)
森於菟 小川鼎三 大内弘 森富「分担解剖学1総説 骨学 靭帯学 筋学」金原出版株式会社(1950)
青木徹彦「例題で学ぶ構造力学Ⅰ-静定編-」株式会社コロナ社 (2015)
井原秀俊「関節トレーニング 改訂第2版-神経運動器協調訓練-」株式会社協同医書出版社(1996)
家森百合子 神田豊子 弓削マリ子「《別冊発達3》 子どもの姿勢運動発達」株式会社ミネルヴァ書房(1985)
M モンテッソーリ著 釈者 吉本二郎 林信二郎「モンテッソーリの教育 0歳~六歳まで」株式会社あすなろ書房(1999)
事業者情報
店舗名 あたまぁる
住所 〒 193-0931 東京都八王子市台町4-44-10西八平沼ビル306
電話番号 042-629-9527
代表者 山本 諭
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