
斜頭症マッサージのやり方は医行為の可能性
「あたまぁる」では東京都八王子市にて、幼児から大人の方を対象に頭のメンテナンスを提供する事業をしています。
※現在、頭のメンテナンス新規の受付は無期限停止中です。お通いの方のみのご予約対応となります。宜しくお願い致します。
斜頭症の施術(ケア)は医行為の可能性がある
昨今、医師は、世界中で行われている『手で頭部に外力を加えて頭の形を整える』手技・徒手療法について、「実証的なデータに基づかない科学的な根拠のない手技であり、危険性の指摘や、安全性や効果の科学的な評価はされていない」とする記事をウェブサイトに公開しています。
この手技・徒手療法の行為は、斜頭症などの頭の形の施術(ケア)に当たります。
医行為とは?
『医師法(昭和23年法律第201号)第17条 医師でなければ、医業をなしてはならない。』
◎厚生労働省の「医行為」の解釈。
『医師法第17条に規定する「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(「医行為」)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。』
先程の記事の裏返しとして、手による斜頭症などの頭の形の施術(ケア)は「医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ、安全性や効果の科学的な評価はされない行為」ということになり、医行為の可能性があるということになります。
頭の形の施術(ケア)が医行為の可能性がある根拠
厚生労働省医政局医事課に問い合わせたところ、『手で頭部に外力を加えて頭の形を整える手技、徒手療法は、医行為の可能性がある』とのことです。
厚生労働省は疾病・疾患に判定している
厚生労働省は「斜頭症、短頭症、長頭症・頭蓋変形」などの頭の形を『疾病、疾患』に判定しています。
①斜頭症(胎児期から乳児期の外圧による、変形性、位置的な斜頭症)、短頭症(変形性短頭など)、長頭症、頭蓋変形:特定の疾病・疾患または症状に対する施術(ケア)。
②『赤ちゃんの頭を丸くする、頭を育てる、左右の耳の位置のずれ、後頭部の形が斜め、絶壁、ハチ張り、頭の形でお悩みの方』などと称して提供される施術(ケア):斜頭症、短頭、長頭、頭蓋変形などの疾病・疾患または症状に対する施術(ケア)に当たる可能性が非常に高い。
③頭の形、斜頭、短頭、長頭、頭の変形、頭の歪み、頭のいびつ、絶壁頭、ハチ張り、左右の耳の位置のずれ、向き癖、反り返りなど:常態的な症状に対する施術(ケア)。
保健所に届け出た業務以外の施術(ケア)である
※保健所からは『斜頭症、頭の変形、頭の歪み、頭のいびつ、絶壁頭、ハチ張りなどの頭の形の施術(ケア)は、マッサージ師・鍼灸師・柔道整復師・助産師が業務の中でする行為ではない』とする回答を得ております。
頭の形の施術(ケア)は、保健所に届出が必要な「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復、助産」以外の「特定の疾病・疾患または症状に対する施術」あるいは「疾病・疾患または症状の原因となる可能性を含んでいる症状に対する施術(ケア)」および「常態的な症状に対する施術(ケア)」に当たる可能性が非常に高いです。
保健所に届け出た業務以外の「疾病・疾患または症状の施術(ケア)」を提供することは『あはき法第十二条の中で禁止されている医業類似行為』に規定されており、昭和23年から『全国民』が禁止されています。
現状、厚生労働省は、医師(医行為)以外の手による施術(ケア)は『法の定める医業類似行為』『法の定めのない医業類似行為(非医業類似行為)』に規定してます。
※理学療法は医療行為。
しかしながら、頭の形の施術(ケア)は、マッサージ師・鍼灸師・柔道整復師・助産師などの国家資格者の「業務範囲外」の医業類似行為にあたります。
そのことから「法の定める医業類似行為」「法の定めのない医業類似行為(非医業類似行為)」には当てはまらないため『あはき法第十二条で禁止されている医業類似行為』に該当します。
あはき法第十二条で禁止されている医業類似行為は「医行為」に該当する
あはき法第十二条で禁止されている「疾病・疾患または症状の治療を目的とし且つその可能性のある医業類似行為」は『医行為』に該当するため、これを業とすれば『医業』となります。
※何かを変える目的で行われる施術(ケア)は『治療』に当たります。
一般消費者は「頭の形・斜頭・頭の歪み・頭のいびつ・絶壁・ハチ張り・頭を丸くする・形を整える・矯正・調整・育てる」などの言葉を見た時に『その施術(ケア)が頭の形を変えるものである』という認識をします。
また、頭においては「形」や「斜頭」などの言葉を使わなくても「赤ちゃんの頭マッサージ」「赤ちゃんの頭ケア」「大人の頭の矯正(調整)」「頭蓋骨矯正(調整)」「頭蓋骨専門」などの言葉を見た時も同様の認識をします。
併せて、新生児、乳幼児の頭と他者の手が接触している写真や動画を表示している場合も、同様の認識をします。
つまり「頭の形に係る言葉」もしくは「頭の形を変える行為」及び「赤ちゃんの頭」を表現した上で提供される施術(ケア)は『あはき法第十二条が禁止する疾病、疾患または症状の改善、緩和、解消を目的とした治療』に当たる可能性が非常に高いです。
※施術(ケア)を業とする者が、頭の形に係る『ビフォーアフター、症例、比較、施術(ケア)前後、経過などの写真や動画』を公開して、一般消費者が「変化、改善、効果、成長が見られる」と認識するのであれば、「医行為」又は「あはき法第十二条で禁止されている医業類似行為」を提供している以外の何者でもありません。
頭の形の施術(ケア)は「再建医学」に当たる
手で頭部や身体全身に外力を加えて頭の形を整える行為は『再建医学(Reconstructive Medicine)』の領域です。そのため、マッサージなどの手技、徒手療法の施術(ケア)は再建医学になります。たとえ「5gタッチ、羽根を触れる程度」などの非常に弱い力であってもです。
再建医学は、変形した頭蓋の「皮膚、筋肉、帽状腱膜、骨、神経、硬膜、脳脊髄液の流れ」などの偏りや発達を「調整」することで再構築し、本来の機能を取り戻す要素を持ちます。通常の左右対称の形状であっても、形を変えたり育てたりする目的であれば、それは再建術にあたります。
これらは「頭蓋矯正、形を変える行為、頭を育てる行為」であることに相違ございません。
また『法の定める医業類似行為』『法の定めのない医業類似行為(非医業類似行為)』の領域ではなく『医療』の領域であることから『医師でなければ成し得ない医行為』の可能性があります。
医業類似行為を禁止する裁判例
【令和7年(2025年)9月24日仙台高等裁判所判決】
『ここにいう医業類似行為とは、医行為に該当しないが、疾病の治療又は、保健の目的をもって行う行為であると解され、あん摩師等法は、医師以外の者については、同法の定める行為(あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅう)を業とすることは、医師又は同法の定める免許を有する者の限り認め、それ以外の医業類似行為については、医師以外の者がこれを業とすることを禁止する趣旨であると解される。
もっとも、憲法22条は、何人も、公共の福祉に反しない限り職業選択の自由を有することを保障していることからすると、上記疾病の治療又は保健の目的は、単にこれを行う者又は受ける者の主観的な期待にとどまるものでは足りず、客観的な根拠を有するものでなければならないと解される。
また、あん摩師等法の上記定めも、医師又は免許を有する者以外のものが業として医業類似行為を行うことが人の健康に害を及ぼすおそれがあり、公共の福祉に反するものと認めたためであると解されるから(最高裁判所昭和29年(あ)2990号同35年1月27日大法廷判決・刑集14巻1号33貢、同18巻4号155貢参参照)、問題とされる施術が人の健康に害を及ぼすおそれがあるという場合に、それが、あん摩師法12条本文において禁止されている医業類似行為に該当することとなると解される。』
※者は「人間や人物」を表す。
※物は「物件」を表す。
※ものは「行為や業」を表す。
判決では医師以外の医業類似行為を禁止している
判決では、医業類似行為の中で、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許を有する者が業務範囲内でする「あんまマッサージ指圧、はり、きゅうの業務行為」を医師、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許を持たない者が業として行うことは「あはき法」により禁止する趣旨を述べています。
また、医師以外の者で、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許を有する者が業務範囲内でする「あんまマッサージ指圧、はり、きゅうの業務行為」以外の医業類似行為を業とする場合は、人の健康に害を及ぼすおそれがあり、あはき法第十二条において禁止されている医業類似行為に該当することから『医師の免許を持つ者でなければ禁止する趣旨である』と述べています。
斜頭症などの頭の形の施術(ケア)は「あんまマッサージ指圧、はり、きゅう」の業務行為以外の医業類似行為なので、医師の免許を持つ者でなければ成し得ない行為である『医行為』の可能性があります。
そのことから、医師の免許を持たない者が頭の形の施術(ケア)を提供するのであれば『無免許医業』として医師法第十七条の取り締まり対象となるおそれがあります。
判決文では、頭の形の施術(ケア)が予防や健康法などの『保健の目的』であっても「医師以外の者が業とすることを禁止する趣旨である」と述べています。
そのため、頭の形に対する『頭や体へのマッサージの仕方、向き癖の対策の指導、抱っこの仕方、寝かせ方のアドバイス、ストレッチ、タクティールケア、タミータイム、ホームケア』などの保健指導は『医師』でなければ提供することができません。