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​斜頭症などの頭の形の施術に関する法律について|あたまぁる

簡潔に言うと、「手で頭の形を施術する国家資格」は存在しません。
そのことから、「斜頭症などの頭蓋変形・
絶壁頭・ハチ張り・頭のゆがみ・頭のいびつ」などの施術は「医業類似行為」に分類されます。

 

医業類似行為は、「疾病の治療」を目的とするものと、「保健」を目的するものに分けられます。

 

当店の施術は「保健」を目的としたものになります。

 

あはき法(あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)の第十二条では「疾病の治療」を目的とした施術を全国民に向けて禁止しています。
その理由について以下で解説していきます。

​頭蓋変形は「疾病・疾患」にあたる

頭蓋変形(頭の形)は「斜頭症・短頭症・長頭症・頭蓋縫合の早期癒合」による変形に分類されます。

 

厚生労働省は、頭蓋縫合の早期癒合の変形を除く、乳児の外圧による頭蓋変形(変形性斜頭及び変形性短頭症)を「疾病・疾患」に指定しています。
赤ちゃんが寝ているときに、寝方の癖や向き癖が原因で、頭が床や寝具から外圧を受けて、後頭部に平坦化が現れた頭蓋変形も疾病・疾患に入ります。

 

そのことから、手で頭や身体に頭の形の施術を行う場合は「疾病の施術」になるので「医業類似行為」に分類されます。その際、「治療」を目的とする場合は疾病になるので、医師が行う「医行為」となります。
※乳児の頭蓋変形に対し、医師の指示のもとで理学療法士が行う理学療法は「医療行為」のなるため除く。

 

医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会の進め方(案)では、以下の通りに発表しています。

矯正は禁止されている

身体に起こる変形に対するマッサージや徒手矯正は、「関節とその周りの筋肉」に行う施術方法になります。

 

「あん摩マッサージ指圧師」が行う治療行為(免許行為)である「マッサージ」の効果には、形態的および機能的な異常を正常な状態に戻そうとする「変形の矯正作用」「関節」にあることから、関節の動きを良くする目的として「マッサージ及び変形徒手矯正術」が行われます。

 

そのことから、あん摩マッサージ指圧師は、「関節変形」・柔道整復師は骨折・脱臼の変形の施術に対して「矯正」という言葉を使うことができます。

 

※しかしながら、変形の矯正作用を利用して、関節が存在しない「頭蓋」に矯正を施すことは、免許行為で許されている矯正とは異なり、あん摩・マッサージ・指圧の業務外(免許外)で行う「禁止されている医業類似行為」、もしくは医師が行う「医の行為の一種」に該当します。

 

そのことから、医師以外の者は、新生児、乳幼児、大人の頭蓋の変形に対する「マッサージ」「徒手矯正」「医行為」となり禁止されています。

 

「厚生労働省保険局医療課長通知」には、変形徒手矯正術について、頭部の変形に対するマッサージ・徒手矯正は含まれません。

 

『変形徒手矯正術は、現に関節拘縮や筋萎縮が起こり、その制限がされている関節可動域の拡大を促し症状の改善を図る変形の矯正を目的とした施術でありマッサージと併せて行うことから、マッサージの加算とする取扱いとして同一部位にマッサージ及び変形徒手矯正術の両方を行った場合に限り、両方の料金を算定すること。 また、変形徒手矯正術は、6大関節(肩、肘、手首、股関節、膝、足首)対象とし1肢(右上肢、左上肢、右下肢、左下肢)毎に支給すること。』
(「令和6年5月31日、保医発0531第7号、厚生労働省保険局医療課長通知、はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」の一部改正について、別添2の第5章の5の文面より)

 

変形の矯正は、「脳血管障害の後遺症、加齢による関節拘縮や筋力低下、神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症」等の傷病に対して行われるものであり、赤ちゃん、幼児、大人の頭蓋に行う施術方法ではありません。

現に、「医師」は、斜頭症・絶壁頭の治療法として、頭に、手による「マッサージ」・「矯正」などの施術を行いません。また、医療国家資格者に施術の指示をしません。

​なお、医師は「先天性の筋性斜頸」に対し「マッサージや徒手矯正は、かえって筋肉の緊張を強めてしまうので受けてはならない」とする注意喚起をしています。

​保健所は、あはき・柔整の「業務外である」と否定している

2023年に、地域の施術所を管轄する「保健所」に、あんまマッサージ指圧師・鍼灸師・柔道整復師による頭蓋変形の施術について問い合わせたところ。

 

「施術はできない。あはき・柔整に含まれない。広告に謳えない。業務の範囲外の行為になる。医療行為になる。業務外の施術で万が一事故を起こしてしまった場合、施術者は責任を負えない。そのため、施術者が保険に加入していても保険が下りない。そのことから、利用者にはそこには行かず別の所をあたってほしいという指導をしている。施術は民間療法になる。そのため、危害を与えないように。」

 

という回答でした。

 

それらのことから、マッサージ師・鍼灸師・柔道整復師・助産師は「保健所登録を受けた施術所として」「国家資格者として」「免許の業務として」頭蓋変形の施術はできません。


※「民間療法」は、「あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復」以外の業務なので、「保健所登録外」で行われる施術となります。
また、
「危害を与えないように」とは、治療行為を行ってはならないということです。

​法律上の「医業類似行為」の定義

法律上の「医業類似行為」とは、免許制(公的な資格制度である国家資格)以外の国が公認していない治療行為の総称を意味します。

 

昭和29年(1954年)6月に仙台高裁は、『医業類似行為とは疾病の治療、または保健の目的でする行為であって、医師、歯科医師、あん摩師、はり師、きゅう師または柔道整復師等の、法令で正式にその資格を認められたものがする行為でないものをいう』と述べています。

 

令和7年(2025年)9月24日山形地方裁判所は、『ここにいう医業類似行為とは、医行為に該当しないが、疾病の治療又は、保健の目的をもって行う行為であると解され、あん摩師等法は、医師以外のについては、同法の定める行為(あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅう)を業とすることは、医師又は同法の定める免許を有するの限り認め、それ以外の医業類似行為については、医師以外のがこれを業とすることを禁止する趣旨であると解される。
もっとも、憲法22条は、何人も、公共の福祉に反しない限り職業選択の自由を有することを保障していることからすると、上記疾病の治療又は保健の目的は、単にこれを行う又は受けるの主観的な期待にとどまるものでは足りず、客観的な根拠を有するものでなければならないと解される。
また、あん摩師等法の上記定めも、医師又は免許を有する以外のものが業として医業類似行為を行うことが人の健康に害を及ぼすおそれがあり、公共の福祉に反するものと認めたためであると解されるから(最高裁判所昭和29年(あ)2990号同35年1月27日大法廷判決・刑集14巻1号33貢、同18巻4号155貢参参照)、問題とされる施術が
人の健康に害を及ぼすおそれがあるという場合に、それが、あん摩師法12条本文において禁止されている医業類似行為に該当することとなると解される。』と述べています。

 

斜頭症などの頭蓋変形・頭の形の施術は、山形地方裁判所の判決文にある「それ以外の医業類似行為」に含まれ、「医師以外のがこれを業とすることを禁止する趣旨であると解される。」・「人の健康に害を及ぼすおそれがあるという場合に、それが、あん摩師法12条本文において禁止されている医業類似行為に該当することとなると解される。」と記されている部分に該当します。

​国家資格が必要ではない

斜頭症などの頭の形の施術は「あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復」の免許行為から外れているので、国家資格を必要とする施術ではありません。

 

※あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の専門学校の「学科」「理論」「実技(手技)」「試験」「技術基準」に、「斜頭症などの頭蓋変形、絶壁頭、頭のゆがみ・頭のいびつ・頭の形」の施術は含まれません。

 

先程の仙台高裁の判決文から、斜頭症などの頭蓋変形・頭の形の施術は、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師等の、法令で正式にその資格を認められたものがする行為でないもの」に該当するので「医業類似行為」に分類されます。

 

一般社団法人京都府あん摩マツサージ指圧師会では、あん摩マッサージ指圧の免許行為について以下の通りに表記しています。

無資格になる

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の頭文字をとって「あはき」、柔道整復師を省略して「柔整」と言います。

 

令和7年2月18日に発表された厚生労働省の「あはき・柔整広告ガイドライン」では、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の免許を有していても、業務外(免許外)の行為をしていれば「無資格者」である」と明確に定義しています。

 

消費者庁にあはき又は柔整の免許を有していない者等(あはき又は柔整等の免許を有しているが当該免許に係る業以外の行為を提供している者も含み、以下「無資格者」という。)
(あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業 若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針 ~あはき・柔整広告ガイドライン~の文面より)

 

つまり、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の国家資格を持つ者が斜頭症・頭の形の施術を行う場合、「無資格者」になります。

 

「歯科衛生士」、医師の指示なしに「看護師」「助産師」「理学療法士」「作業療法士」が頭の形の施術を行う場合も無資格者になります。

​無資格者の施術は、「人の健康に害を及ぼす虞のない業務行為」でなければならないので、治療はできません。また、頭の施術は、業務外(免許外)の無資格行為なので、国家資格者による施術の対価とは全く異なります。

 

本ガイドラインではウェブサイト(ホームページ)は広告とみなさない判断をしていますが、無資格者(免許外・業務外の無資格行為)に対し「ウェブサイト等でも法律に抵触するため、載せてはいけませんよ」と念を押しています。

 

ガイドラインは法律ではないので法的拘束力はありませんが、根拠となっているのは、あはき法、柔道整復師法、医療法、薬機法、医師法、景品表示法、不正競争防止法、健康増進法などの法律です。

 

『(6)あはき師法、柔整師法等に抵触する内容を含むもの
無資格者の行為は、国家資格が必要なあん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復の業務とは全く異なることから、国家資格を必要とする業を行っていると利用者に誤認を与えるような表示は不適切であり、これは、写真、画像等を用いた場合においても同様である。 また、「腰痛」、「膝の痛み」等の痛み症状に対する施術、慢性の「肩こり・ 疲労」等の常態的な症状に対する施術の表現は、特定の疾患に対する施術或いは疾患の原因となる可能性を含んでいる症状に対する施術に当たる可能性が高いことから、広告及びウェブサイト等に表現すべきでないものである。』
(~あはき・柔整広告ガイドライン~ Ⅶ.無資格者の行為に関する広告について。3 広告に掲載すべきでない事項の文面より一部抜粋)

 

医師以外の者は、斜頭症などの頭蓋変形・頭の形・絶壁・ゆがみ・いびつ・ハチ張りなどの「症状の名称」「疾病に対する施術」「疾病の原因となる可能性を含んでいる症状に対する施術」を広告(SNS広告)及びウェブサイト、ブログ、SNS等に表現することはできません。また、有資格者であれば「○○師による施術、国家資格を持つ者が担当する、○○師の資格が必要」などを表現することはできません。

​疾病の治療は禁止されてる

※医業類似行為は「保健」の目的であれば禁止されていません。

 

「あはき法第十二条」では、「疾病の治療」を目的とする施術を「禁止されている医業類似行為」に指定し、いかなる全ての者に禁止しています。

 

斜頭症・頭の形に対し、治療・改善・解消・緩和することを目的とする施術は、国家資格の有無に関わらず、あはき法第十二条が禁止する医業類似行為に該当します。

 

マッサージ・矯正・整体・オステオパシー・カイロプラクティック・赤ちゃん整体・頭の形ケア・医師の指示がない理学療法士による理学療法・助産師のケア・民間療法などで「頭の形を改善する行為」は、禁止されている医業類似行為になります。

 

「あはき法に該当しない」「無資格者の施術は危険」「必ず改善する保証がない」「丸くなる保証がない」と謳っていても、仮にも形を変える目的で頭に施術を行えば、誰であれ「あはき法第十二条」に抵触するのです。

 

そのため、一般消費者に対し、禁止する医業類似行為に該当する施術が、「国家資格所持」「保健所登録」「医療費控除対象」「民間療法」「医療行為ではない」「優しくソフト」「業務範囲」「安全性」などを謳うことで、あたかも適法に行われている医業類似行為であると認識する掲載は、品質誤認表示に該当し「景品表示法」に抵触するおそれがあります。

「治療」というのはどのような行為を指すのか

​何かを変える目的で行われる施術は「治療」にあたります。

 

つまり、頭・身体に行う施術が「頭の形を変えるを目的」としていれば「治療」となります。

 

「丸くする・矯正・マッサージ・調整・変える・整える・丸く育てる・丸くしたい方・綺麗にする・治る・良くなる・悩みを解消する・絶壁やハチ張りを改善する・筋肉をほぐす・頭蓋骨の動きを良くする・左右の耳の位置を矯正する」などと掲載すると、形を変える目的とした治療行為を示しています。

 

一例として、脳脊髄液の流れを促進しながら、優しいタッチで頭蓋骨の歪みを整えるなどの掲載は「違法」となります。

 

・斜頭の場合は骨に力が加わる程度の強さで頭を触れて、骨を後方へもっていくように手を動かして!
・頭蓋骨の動きを良くするために、ここの皮膚を触れて筋肉を動かして!
といった動画は、明確な「治療行為」になります。

 

仮にも、頭の形の変化を求めて施術を行う場合には、誰であれ「あはき法第12条が禁止する医業類似行為」に該当し処罰の対象となるのです。

なぜ、禁止されているのか

「医業類似行為は、人の健康に害を及ぼす恐れのある業務行為でなければ禁止の対象にならない」(昭和35年1月27日 最高裁大法廷判決)

 

昭和35年の最高裁判決を要約すると。

・「あはき法12条が免許外の治療行為である医業類似行為を禁止しているのは、人の健康に害を及ぼすおそれ(可能性)があるからである、従って医業類似行為を業とすることは公共の福祉に反する」
・「あはき法12条14条の禁止処罰は、公共の福祉に必要であって憲法22条に反するものではない」ということです。

 

※国民が適時に適切な医療を受ける機会を失うことを防止するところにあるからです。

 

また、「人の健康に害を及ぼすおそれのある」というのは治療行為全般のことで、保健や健康法の類までは禁止しないという意味になります。

 

※効果のある治療で「有害性が全くゼロ」ということはありえないからです。そのため、利用者が「変化」「効果の実感」を受けたとしても、違法になります。

 

治療行為というのは当然、有害のおそれがあるので、無資格者・国家資格の業務外の「国が公認していない治療」はおこなえないということです。

 

たとえ、「無事故」、「無理に力を加えたり、強引に動かしたりせず優しく触れる程度」「圧を加えないから安全」であったとしても、それが頭の形を変える目的で「頭」「身体」に行う「手技療法全般」は、治療行為になり、全て禁止ということになります。

「医行為」を仕事とすれば「医業」となる

医業類似行為の中でも、疾病の治療の目的をもって行う行為は、「人の健康に害を及ぼすおそれがあり、公共の福祉に反することから、「医行為」になります。それを業(業務・営業)としておこなえば「医業」になります。

 

つまり、医師以外の者が、頭の形を変える行為を掲載する場合は、「医師・医行為・医業」を誤認させるような表現を掲載していることになるため、あはき法の他に、医師法・医療法に違反するおそれがあります。

あはき法第十二条の意味

あはき法第十二条では、「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。」と定めております。

 

「何人も、医業類似行為を業としてはならない」、「あはき師であっても、医業類似行為をしてはならない」という意味になります。

​全国民が該当する

「何人も」というのは、「誰であっても」「誰でも」「いかなる人も」という意味です。つまり、「全国民」に医業類似行為を禁止しています。

 

そのため、あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師・柔道整復師は当然ながら、理学療法士・助産師などの全ての国家資格者、整体師・療術師・無資格者、一般人、たとえ医師や国家元首であっても、医業類似行為を業としてはならないということです。

 

国が制定する法は、憲法をトップとして「憲法➡法律➡政令➡内閣府令・省令➡告示」というヒエラルキーがあります。
つまり、上位の法と矛盾する下位の法は無効となることを意味します。

 

厚生労働省は、医業類似行為について様々な規定をしていますが、法律である「あはき法」と矛盾する規定の政令や省令であれば無効となります。

​「者」と「もの」の違い

あはき法第一条の「あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとするは」の「者」は、人間を表します。

 

つまり、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師という「免許者」を意味します。
なお、「物」は、物件を表します。

※あはき法第十二条の「第一条に掲げるものを除く外」の「もの」は、ひらがなの「もの」であるので「行為」「業」などの人間・物件ではないものを表します。そのため、「者」「物」とは意味合いが異なります。

 

つまり、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師という「免許」ではなく、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の「免許」を指すので、「第一条に掲げるものとは「あんま、マッサージ、指圧、はり、きゅうの行為を意味します。

 

そのことから、「もの」というのは第一条に掲げる免許行為を意味します。つまり、「あん摩業、マッサージ業・指圧業・はり業・きゅう業」のことを述べているのです。

 

 

【それらを踏まえた上で、あはき法第十二条を具体的に解説すると】

 

・「誰であれ、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の免許の業務範囲以外の施術行為は「医業類似行為」となるのでしてはならない」

 

・いかなる人も(誰でも)、あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅうの「免許行為」はここには含まれないが、医業類似行為は業としてはいけませんよ。

 

・第一条の免許行為者であっても行えるのは免許範囲の業務だけであり、それを逸脱して医業類似行為まで業務としてはなりませんよ。

 

・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許を持たない者が、あはきの免許行為を行うと医業類似行為になりますよ。

 

という意味になります。

 

※あはき法第十二条に「第一条に掲げるものを除く外」という条文を含めている理由としては、第一条の免許行為者であっても、行えるのは免許範囲の業だけであり、それを逸脱して自身の免許範囲外の医業類似行為まで業務としてはならないからです。

 

あはきの免許者は業務の範囲内で治療行為がおこなえるので、業務外(免許外)の行為にまで踏み込まないように忠告する。もう一つは、「あはきは医業類似行為に含まれませんよ」という念を押した法律です。

 

※なお、第十二条では、「ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。」と記されています。
柔道整復師が柔道整復師法で認められた範囲内で接骨(骨折・脱臼・捻挫・打撲・筋腱軟部組織の損傷)を業とする場合は、十二条の制限を受けないことを意味します。

第一条に掲げる「者」を除く外と解釈すると

『あはき法第十二条は、「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない」と規定しています。これは、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師以外の、医業類似行為を仕事として行うことを禁じるものです』

 

『あはき法第十二条は、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師以外の者が医業類似行為を業として行うことを禁止するものです』

 

となります。

 

【つまり】

 

・マッサージ師・鍼灸師の免許者は医業類似行為をやっても良い。

 

・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師。この内どれかひとつでも免許を持っていれば、あらゆる医業類似行為を業として良い。

 

となってしまいます。

 

​✖斜頭症の施術は、医師以外の国家資格(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)を持たないが行うと、医業類似行為にあたり、医師法やあはき法第十二条などに抵触する違法行為となります。
あはき法第十二条を「第一条に掲げるを除く」で解釈してしまったり、「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう」が医業類似行為であると言っていることになります。

 

斜頭症の施術は、医師以外の国家資格である「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師」の免許の業務範囲以外の施術行為は、医業類似行為にあたり、医師法やあはき法第十二条などに抵触する違法行為となります。

 

これは、斜頭症の改善を目的とした頭蓋骨への施術が、医業類似行為として位置づけられているためです。

 

✖頭の形を丸くする施術は、医業類似行為に該当する場合があります。この施術を行えるのは、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」などの資格を持つ施術者のみであり、これら以外の者が施術を行うと、法的に処罰の対象となる可能性があります。特に整体師は医療行為は行えず、民間資格であるため、頭の形を改善する施術ができません。
➡医療国家資格のいずれかを持つ施術者であれば、医業類似行為で禁止されている疾病の治療を行っても良いということになってしまいます。また、資格を持っていれば、本来業務外である施術を「業務範囲として好きなように行っても良い」ことになってしまいます。

 

頭の形を丸くする施術は、医業類似行為に該当します。この施術を行えるのは、国家資格である「医師」の資格を持つ施術者のみであり、これら以外の者が施術を行うと、法的に処罰の対象となる可能性があります。特に「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」「柔道整復師」「助産師」「理学療法士」「整体師」は、頭蓋の変形に対して医療行為は行えず、民間療法の範囲であるため、頭の形を改善する施術ができません。

 

✖整体による斜頭症の施術は医業類似行為なのでマッサージ師の資格を持っていない者が行うと医師法やあはき法第12条に抵触する違法行為です。
何人も、医業類似行為を業することを禁止しています。

 

いかなる人による斜頭症の施術は医業類似行為なので、あん摩業、マッサージ業、指圧業は医業類似行為には当たらないが、マッサージ師の資格を持っている者が行うと医師法やあはき法第12条に抵触する違法行為です。

 

と読まなければならず、そうでなければ、あはき法第十二条の法律に矛盾が生じるので間違った意味になるのです。

 

あはき法では、禁止されている医業類似行為を行えば罰則があります。

罰則は以下の通りです

第十三条の七 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

一 第一条の規定に違反して、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業とした者
二 虚偽又は不正の事実に基づいてあん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許を受けた者
三 第七条の二(第十二条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

四 第十二条の規定に違反した者
五 第十二条の三の規定に基づく業務禁止の処分に違反した者
② 前項第三号の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

業務の停止、禁止

第十二条の三 都道府県知事は、前条第一項に規定する者の行う医業類似行為が衛生上特に害があると認めるとき、又はその者が次の各号のいずれかに掲げる者に該当するときは、期間を定めてその業務を停止し、又はその業務の全部若しくは一部を禁止することができる。
一 心身の障害により前条第一項に規定する医業類似行為の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、前条第一項に規定する医業類似行為の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者
② 前項の規定による業務の停止又は禁止に関して必要な事項は、政令で定める。

 

「衛生上特に害がある」というのは、疾病の治療を目的とした施術も含まれます。

 

手による斜頭症などの頭の形の施術は、国家資格に含まれず無資格の民間療法なので、保健所・厚生労働省らの行政が関与せず及ばない管轄外となります。

 

しかしながら、「衛生上から見て有害のおそれがある虞がある」と認められれば、衛生上の危害防止のため、医師や保健所から意見を聞いた上で、都道府県知事は、あはき法第十二条の三により「一定期間の業務停止、業務の一部又は全部の禁止」を指示することができます。

広告は禁止されている

医業類似行為に関する広告の制限は「全国民」が該当します。

 

頭の形に関する掲載は全て禁止されます。

 

・「斜頭症」「短頭」「頭蓋変形」などの具体的な症状名の記載は禁止されています。

 

・虚偽や誇大広告:「ハチ張りは治ります」「〇〇治療専門」「元祖・本家」「医業類似行為を行うには資格が必要」「保健所登録を受けた治療院」「医療費控除対象」などの利用者を誤解させる表現は禁止されております。

 

・施術者の経歴、実績に関する内容を具体的に示す表現(例:「〇〇万人の改善事例」「院が開設されて〇〇周年」「○○学会会員」「経験豊富な院長が担当する」「国家資格所有者」など)は避けなければなりません。

 

・施術者の技能、施術方法(内容)を具体的に示す表現(例:「絶壁・ハチ張りは数回で変わります」「頭の形の悩みを解消します」「赤ちゃんの頭をそっと触れて施術を行います」「痛くない施術」「優しく安全な赤ちゃんの絶壁・斜頭症の施術」「器具を使わずに優しく頭の形を整えます」「頭を押したり揺さぶったりしません」「マッサージ」「整体」「斜頭症矯正」など)は避けなければなりません。

​資格ごとの治療行為の可否

・医師:斜頭症の施術が可能です。

 

・あん摩マッサージ指圧師:斜頭症の施術はできません。

 

・はり師、きゅう師:斜頭症の施術はできません。

 

・柔道整復師:骨折、捻挫、脱臼、筋腱軟部組織の損傷のみが行え、斜頭症の施術はできません。

 

・看護師、助産師、理学療法士:医師の指示なしに、斜頭症の施術はできません。

 

・整体師、療術師、カイロプラクティック、オステオパシー、民間療法:斜頭症の施術はできません。

まとめ

・斜頭症は、頭の片側の後頭部から側頭部にかけてが平坦になり、全体的に左右非対称に見える状態を示す疾病・疾患です。

 

・疾病・疾患の施術は、医業類似行為に該当し、国家資格を必要としない業務ですが、施術方法が人の身体や健康に危害を及ぼすおそれがある場合は禁止されています。
そのことから、治療や改善を目的とした施術を医師以外の者が業(業務・営業)として行うことは、あはき法第十二条が禁止する医業類似行為に該当します。

 

・変形の矯正術が行える「あん摩マッサージ指圧師」の資格を持っていても、頭蓋変形にマッサージ・矯正を行うことは違法行為です。

 

・斜頭症の施術は、日本の現行制度下では医師のみが行える医行為であり、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などの国家資格を持っていても、業務から外れた斜頭症の施術を行うことは医業類似行為として違法になります。

 

・「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師」、「医師の指示がない病院外の理学療法士・作業療法士・助産師・看護師」の国家資格は、斜頭・短頭・絶壁・ハチ張り・頭のゆがみ・頭のいびつなどの頭の形を取り扱う「一定の資格」ではないので、非常に注意が必要です。

 

以上のことから、病院以外の施術所(治療院・鍼灸院・マッサージ院・接骨院・整骨院・助産院・整体院・療術院・カイロプラクティック・オステオパシーなどの施術所)で頭の形の施術を行う場合は、国家資格に関することや形を変えることを示唆する掲載は利用者が適法な施術所であると誤認するおそれがあるので禁止であり、無資格で行う「人の健康に害を及ぼす虞のない業務行為」である民間療法の括りでなければなりません。

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