誰であれ、頭の形を変える行為は人の身体に危害を及ぼすおそれがある行為になる
- 3月24日
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更新日:5 日前
厚生労働省の医業類似行為の定義にも記されている「一定の資格を有する者が行わなければ人体に危害を及ぼすおそれのある行為」というのは、たとえ非常に弱い施術であっても「一定の資格を有する者が行わなければ人の体や健康に害を与える可能性は0ではない行為」という意味になります。
それには、「免許制のない」「無免許」「免許を持つ者の業務外(免許外)」「民間療法」で行う治療行為が含まれます。
つまり、医業類似行為による治療行為が人体に危害を及ぼすおそれのある行為に該当します。
令和7年2月18日に厚生労働省医政局医事課は、『あはき、柔整の行為は、厚生労働大臣の免許を有する者のみに認められているものであり、これら一定の資格を有する者が行わなければ人体に危害を及ぼす恐れのある行為であると解しており、これに基づき、広告規制の考え方を示したものです。』と公表しています。
※あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・助産師等の一定の資格を持つものが、業務範囲内であん摩マッサージ指圧・柔道整復・助産の免許行為をそれに適応した症状に行うのであれば、人体に危害を及ぼすおそれがある行為になりません。
しかしながら、あはき柔整等の資格を持つ者が、あはき柔整等の行為に含まれない斜頭症などの頭蓋変形や頭の形に対して施術を行うのであれば「業務外」の医業類似行為(法に基づかない医業類似行為)となるため、それは「人体に危害を及ぼすおそれがある行為」ということになります。
何かを変える目的で行われる施術は「治療」にあたります。
斜頭症や頭の形の施術において人体に危害を及ぼすおそれのある行為というのは「頭の形を変える行為」になります。
※治療行為というのは必ず有害性を伴うリスクがあります。つまり、効果のある治療であっても有害性は0ではありません。そのため、頭の変形に対して「矯正作用」がある手技であるからには、害を及ぼす可能性を否定できないのです。
頭や身体全身に強い力を加えなければ良いという問題ではありません
【昭和35年1月27日最高裁大法廷判決】
『医業類似行為は、人の健康に害を及ぼす恐れのある業務行為でなければ禁止の対象にならない。』
この判決を読むと「頭の形の施術を人体に害がないように行えば違法にならないので問題ないだろう」と考えてしまいます。
しかしながら、たとえ非常に弱く優しい痛みのない適切な施術であっても、仮にも「頭の形を整える」「頭の形の改善を目的とする」のであれば、それは形を変える治療行為に他ならないので、人体に危害を及ぼすおそれのある行為とみなされ、禁止処罰の対象となるおそれがあります。
そのため、医業類似行為による治療行為は、適切な知識や技術や経験を持って優しく入念に行う場合、もしくは施術経験が少なく十分な知識や技術がなく不適切な方法で非常に強い力を使って無理やり行う場合、どちらも同等の危険性を伴います。いずれにしても、違法行為であることに変わりありません。
医業類似行為が禁止されている理由は以下の通りになります
なぜ、医業類似行為の中で疾病の治療が禁止されているのかというと、どんな施術方法であっても医学的な根拠が十分とは言えず、整体やマッサージなどの赤ちゃんの頭の形が改善するという明確な科学的(医学的)なデータが、今のところ十分に揃っていないからです。
また、医業類似行為は、誰が行っても人の体や健康に害を与えるおそれがあり、「公共の福祉に反する行為」にあたるからです。
たとえ、人の体に害を及ぼさなくても、疾病の回復を遅らせてしまう事例が多数確認されたからです。
2024年(令和6年)の4月に消費者庁が発表した医業類似行為関連の事故報告では、『2024年(令和6年)の2月に東京都の整体院において、「指圧マッサージ」の施術中、左耳上に痛みを感じ、医療機関に搬送された。診断の結果「左側の側頭骨茎状突起骨折」の重傷。』と関係行政機関から通知があり公表されています。
施術の目的については公表されていません。整体院で行われる「整体」の行為ではなく、「指圧マッサージ」の免許行為であったことが公表されています。あん摩マッサージ指圧の免許を持たずに「指圧マッサージ」の行為を行うことはできませんから、あん摩マッサージ指圧師が起こした危害事故の可能性が考えられます。
あん摩マッサージ指圧の業務には、頭蓋に事故を起こすリスクのある刺激を加える業務は存在しないことから、免許の業務外の行為に踏み込んで起こした「医行為」による施術事故であったことが考えられます。
それ以外の2021年~2025年の間、斜頭症(頭のゆがみ)、頭の形の施術による危害事故の報告はありません。
